伝わらないのはなぜ? 栄養指導が変わる「伝え方」のスキル
- 2025年12月22日
- 読了時間: 5分
―心を動かす 6つ のコツ―

「正しい知識を伝えているはずなのに、患者さんが行動してくれない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
私自身、栄養指導を続ける中で、何度もこの壁にぶつかってきましたが、そのたびに
学び直し、そして実践する中で「伝え方こそが行動変容のカギとなる」と強く感じています。
今回は、実際に現場で意識的に活用し「効果がある」と感じている6つの重要ポイントを
共有します。どれも明日からすぐに使える実践的な技術ばかりなので参考にしてみて
ください✨
1. 最初の10秒で心を開く
―興味のスイッチを入れる―
栄養指導の成否は、冒頭の10秒が非常に大切です。
🌟効果的な導入フレーズ
パーソナライズ
「今日は、○○さんの生活に合わせた、無理のない方法をお話ししますね」
⇒「自分ごと」「自分のための」と感じていただく
重要サインを出す
「ここが一番大切なんですが…」
「まず最初に聞いてほしいのは…」
⇒ 集中力が一気に高まる
💡 相手の興味を引く3つの切り口
【方法】 | 【具体例】 |
①問いかけ | 「疲れやすいと感じたり、体や気分が重いと感じませんか?」 |
②意外性 | 「実は○○を変えるだけで睡眠の質が上がり、それは体重にも影響するんです」 |
③メリット提示 | 「今日は、すぐできて負担の少ないポイントだけお伝えしますね」 |
💡Point: 最初の一言で「聞きたい」という気持ちを作る!
2. 言葉以外で9割が決まる
―表情・姿勢・声のトーンを味方につける―
🌟 メラビアンの法則
相手が受け取る印象の内訳は下記の通りと言われています。

視覚情報(表情・姿勢) : 55%
聴覚情報(声のトーン) : 38%
言語情報(話の内容) : 7%
もちろん、栄養指導では正しい知識を伝えることが大前提です。
ただ、どんなに正確な内容でも、伝え方次第で相手に届かないこともあります。
だからこそ、内容と合わせて「どう見えるか・どう聞こえるか」も意識することが大切なのです。
🌟 安心感を与える非言語コミュニケーション
【姿勢・視線】
✓ 少し身体を前に傾ける → 「あなたの話に関心があります」のサイン
✓ 適度にうなずく → 「ちゃんと聞いていますよ」の合図
💭以下のことを無意識にやっていないか、客観的に自分の行動を確認してみましょう。
✗ 腕組み・視線を逸らす → 本音を閉ざしてしまう
【表情】
✓ 柔らかい笑顔 → 安心を生む
✓ 相手の表情に合わせる → 共感が伝わる
【声のトーン】
✓ 少しゆっくり話す → 安心感が生まれる
✓ 強弱をつける → 大事なポイントが記憶に残る
✓ 間(ま)を取る → 考える時間を与えられる
💡Point: 言葉選びや適切な説明も重要ですが、それを聞いてもらうための土台となる
表情や声を整えましょう!
3.専門知識は「借りて」使う
―根拠を示して安心感を与える―
行動してもらうには、「信頼できる情報だ」と感じてもらうことが必要です。
🌟 効果的な権威の借り方
「糖尿病診療ガイドラインでは…」
「信頼できる研究で○○が明らかになっています」
「厚生労働省の基準では…」
⚠️ やりがちなNG
× 専門用語を多用しすぎる → 相手が理解できず不安になる
× データを詰め込みすぎる → 情報過多で混乱する
💡Point: 必要な部分だけ、シンプルに伝える! 何を優先すべきかを考えよう!
4.話の順番で理解度が変わる
―結論ファーストで相手を迷わせない―
基本は「結論→理由」の順番
例:
「今日から夕食の野菜を先に食べてみましょう。なぜなら、血糖値の急上昇を防ぐ効果が
あるからです。」
→ 話の方向性が明確で理解しやすくなります。
💡ただし、相手のタイプで使い分けるのも大切
【タイプ】 | 【好む順番】 | 【特徴】 |
結論型 | 結論→理由 | 効率重視、要点を先に知りたい |
共感型 | 理由→結論 | プロセス重視、背景を知りたい |
タイプの見極め方
初対面や最初の会話で、こんなポイントを観察してみましょう。
論理型の特徴
✓ 質問が具体的である
✓ 要点を確認する、メモを取るなど
✓ 話すスピードが速め
✓ 「要するに」「結論は?」という言葉がよく出る
共感型の特徴
✓ 自分の気持ちや状況を先に話す
✓ 相槌が多い、表情が豊か
✓ 話すスピードがゆっくりめ
💡Point: 迷ったら「結論→理由」でスタートして、相手の反応を見てみよう!
1〜2回の指導で相手のタイプが見えてくる。そこから話し方を調整していこう!
5.感情が行動のエンジンになる
―共感と希望が心を動かす―
人は「正しいから」ではなく、「感じてこそ」行動することが多いものです。
🌟 伝えたい3つの感情
安心 「その気持ち、すごくわかります。私も最初は同じでした」
希望 「それなら十分にできると思いますよ!」
共感 「忙しい中で本当に頑張っていらっしゃいますね」
実践例
△ 「塩分を減らしてください」
✅ 「塩分を少し減らすだけで、浮腫みや体が楽になったという方も多いんですよ。
○○さんもきっとできると思います」
💡Point: 感情に働きかけるひと言を添えるだけで、心理的ハードルが下がる!
6.話すより「引き出す」
―相手を主役にする問いかけスキル―
長い説明は頭に入りません。大切なのは短く伝えて、そして問いかけること。
🌟 よく使える3つの質問
「どう思いますか?」 → 相手の考えや気持ちを引き出す
「ここまでで気になるところはありますか?」 → 不安や疑問を確認する
「どこからならできそうですか?」 → 行動のハードルを下げる
実践例
△ 「毎日野菜を350g食べましょう。緑黄色野菜を120g、淡色野菜を230g…」
✅ 「野菜を増やすとしたら、朝・昼・夜のどこが一番取り入れやすそうですか?」
💡Point: 問いかけるほど、相手は自分ごととして考え始める!
まとめ ‐栄養指導は「伴走」の仕事‐
伝え方を少し変えるだけで、相手の表情・反応・意欲は変わります。
今日から意識したい6つのポイント
最初の10秒で興味を引く
表情・姿勢・声で安心感を与える
根拠をシンプルに示す
結論→理由で明確に伝える(タイプを考慮)
共感・希望・安心の感情を織り交ぜる
問いかけで相手を主役にする
栄養指導は「知識を伝える仕事」ではなく、「相手の行動を前に進めるための伴走」です。
まずは1つからでも、明日の指導で試してみてください。 あなたが添えた言葉や姿勢は、誰かの行動を後押しする力になるでしょう✨



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